鳥インフルH7N9ワクチン、臨床試験開始-来月にも国立病院機構でステージ1実施

鳥インフルエンザA(H7N9)の流行拡大に備え、厚生労働省は、開発を進めていたH7N9株のインフルエンザワクチンの臨床試験を、早ければ来月中にも 始めることを決めた。動物試験での安全性の確認などを踏まえて行われるもので、人への接種は国内では初めて。国立病院機構の病院で、成人男性を対象にした 第1相試験(ステージ1)が行われる見通し。【新井哉】

 ステージ1では、健康な成人男性20―40歳を対象にワクチンを接種し、臨床研究中核病院に設置する検討委員会で、効果や安全性を検証する方針。安全性 が確保できれば、10月にもステージ2を実施するという。厚労省は24日に開かれた新型インフルエンザ専門家会議(議長=岡部信彦・川崎市健康安全研究所 長)に、この臨床試験に関する方針を報告し、了承された。

 H7N9ワクチンの開発をめぐっては、これまでに専門家へのヒアリングや開発に関する検討などに加え、国立感染症研究所でワクチン製造候補株を作製。昨 年9月から12月にかけては、治験薬ワクチンの原液を作り、今年2月には、この原液を使って治験薬の小分製品を製造していた。

 マウスやモルモット、ウサギ、カニクイザルを使った原液や小分製品の動物試験では、マウスの免疫原性試験で異常は観察されず、モルモットの異常毒性否定 試験でも生物学的製剤基準の判定基準に適合した。しかし、原液をウサギに使った発熱試験では、製造した原液3ロットのうち2ロットで陽性となった。

 厚労省によると、ウイルス粒子に由来する発熱活性によるものと考えられ、「インフルエンザワクチン(H7N9株)原液特有の現象」と推察。カニクイザル の免疫原性試験でも、ワクチン接種後の採血時に1頭が死亡したが、「採血に対する脱血とストレスによる突然死」と判断したという。

 厚労省から報告を受けた委員からは「副反応が出て使えない可能性もあり、その判断をするためにも臨床試験を進めておく必要がある」などの意見が出された。このワクチンの臨床試験は、今年度の厚生労働科学研究費で行われる予定。
医療介護CBニュース 6月24日(火)19時43分配信

 

【グレース】 オゾン(除菌・脱臭)・高濃度水素水・サイマペットの販売

 〒245-0022

 神奈川県横浜市泉区和泉が丘3-30-1

 TEL:045-392-6571

 MAIL:grace@aria.ocn.ne.jp