細胞の老化などに関係 テロメア修復仕組みを解明

 染色体の末端にあり、その長短が細胞の寿命や老化に深く関係する部位「テロメア」について、長さを抑制する仕組みを、関西学院大理工学部(兵庫県三田 市)の田中克典教授らのグループが初めて明らかにした。抗がん剤の開発などにつながる可能性もあり、このほど米国科学アカデミー紀要に掲載された。

 通常の細胞は、分裂のたびにテロメアが少しずつ短縮、一定の長さになると細胞が寿命を迎え、分裂をやめる。一方、生殖細胞やがん細胞では、テロメラーゼと呼ばれる酵素が働き、長さを保つようテロメアを修復。一種の「不死状態」であることが知られている。

 ただ修復の際、テロメアを伸ばしすぎず、元の長さに収める仕組みは不明で、田中教授らは常にテロメラーゼが働く酵母菌を使って実験した。元の長さまで修 復が進むと、SUMO(スモ)というタンパク質が、テロメアに付着している別のタンパク質と結合。テロメラーゼをはじき飛ばし、修復を止めることを明らか にした。

 テロメアは、細胞の老化やがん化に関係することから注目され、2009年のノーベル医学生理学賞の受賞分野になった。田中教授によると、酵母菌とヒトではテロメアがよく似ており、判明した仕組みがヒトのがん細胞などにも当てはまる可能性があるという。

 田中教授は「テロメア修復の“ブレーキ役”がヒトでも明らかになれば、治療への応用も期待できる」と話す。

 

神戸新聞NEXT 6月29日(日)11時1分配信

 

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