ノロウイルス感染の見分け方と検査方法

つらいおう吐や下痢の症状を引き起こすノロウイルス。潜伏期間が短いものの、急な吐き気とおう吐を繰り返すことによる脱水症状も多く起こり、特に子どもや老人が感染すると、長引いてしまうこともあります。

しかし、ノロウイルスなのかどうかの判断がいち早くできれば、早期の症状改善や周りへの二次感染予防に役立つでしょう。今回は、ウイルスが原因の胃腸炎なのか、それとも、それ以外の風邪の症状なのかを見分ける方法、及び検査方法について詳しく説明します。

1.ノロウイルスとウイルス性胃腸炎・風邪の違い

ノロウイルスはウイルス性胃腸炎の一種です。風邪ではないことは、強烈な下痢の有無によって判断されます。ノロウイルスとよく似た感染症として、ロタウイルス、アデノウイルスが原因の胃腸炎があります。下記にそれぞれの違いを説明します。

-潜伏期間の違い

ノロウイルス:24〜48時間

ロタウイルス:1〜3日

アデノウイルス:7〜8日

-症状の違い

下痢、おう吐は共通

ロタウイルス:お米のとぎ汁のような水様便

アデノウイルス:便の酸臭が強い

2ノロウイルスの検査方法

ノロウイルスの検査方法として、一般的なものは下記の2つです。

・ノロウイルス抗原検査:

ふん便中のノロウイルスを、専門の検査キットで検出する方法です。被験者が3歳未満、もしくは65歳以上の場合には健康保険が適用され、検査は医師が医学的に必要と認めた場合のみに行われています。

この検査のメリットとしては、キットを使用するために検査結果が早く出ることなどが挙げられますが、デメリットとして、ウイルスに感染していても陽性にならない場合(潜伏期間中で症状がまだ出ていないときなど)があり、不確定要素の高い検査方法といえます。

・ウイルス的診断(遺伝子増幅法):

患 者さんのふん便や吐しゃ物を用いて、電子顕微鏡法・RT-PCR法などを行う検査で、ふん便や吐しゃ物の中に含まれるノロウイルスの遺伝子を増やし、目に 見えるようにしてウイルスの存在を確認する方法です。便通常の医療機関では実施できず、食中毒や集団感染の原因究明といった特殊なケースに用います。

ノロウイルスを含め、急性の感染性胃腸炎はとてもつらい症状を引き起こします。ノロウイルスの場合も、下痢などを通じてかなり体力が奪われることに加え、ひどい場合には脱水症状に陥る場合があります。早めに病院へ受診され、一日も早い回復を促すことが大切です。
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