2014年

8月

31日

薬剤耐性菌の感染拡大、世界で脅威に

赤く染色された淋(りん)菌の顕微鏡画像。近年、淋病など多くの感染症で抗生物質が効かなくなっているという。
赤く染色された淋(りん)菌の顕微鏡画像。近年、淋病など多くの感染症で抗生物質が効かなくなっているという。

世界保健機関(WHO)が公表した報告書によると、突然変異によって抗生物質が効かなくなった細菌(薬剤耐性菌)の蔓延が近年深刻さを増し、脅威が世界中に拡大している。

 

 一般的な腸管感染症や尿路感染症をはじめ、肺炎、新生児感染症、淋(りん)病など、細菌が引き起こす疾患では、従来の治療法がもはや通用しなくなっているケースも多くなっているという。

 米国疾病予防管理センター(CDC)は昨年、アメリカ国内の薬剤耐性菌感染者が年平均200万人にのぼり、うち2万3000人が死亡しているとする報告書を発表したが、今回の報告書はその調査範囲を世界全体に広げた内容となっている。

 薬剤耐性菌の増加はわれわれにどのような危険をもたらすのだろうか。アメリカ、ボストンにあるタフツ大学医学部、抗生物質慎重使用連盟 (Alliance for the Prudent Use of Antibiotics)のスチュアート・レビィ(Stuart Levy)氏に話を聞いた。

◆薬剤耐性菌の正体とは?

 感染症を引き起こす細菌のうち、1種類以上の抗生物質に対して耐性(抵抗力)を獲得したタイプを指します。通常の抗生物質では、増殖抑制や殺菌の効果が期待できません。以前は容易だった感染症治療が困難になっています。

◆抗生物質の効力から逃れる仕組みを教えてください。

 耐性菌は、抗生物質を分解または無毒化する能力を獲得して自らの身を守ります。具体的には、ペニシリンなど特定の抗生物質に耐性を示す遺伝子を、突然変 異によって発達させたのです。抗生物質を無毒化する酵素が産生されるように変異する、または抗生物質の攻撃対象となる遺伝子部位が消失するなど、耐性遺伝 子を獲得すれば増殖が有利になります。

 中には5~6種類の抗生物質に対して耐性を獲得した細菌種もあります。こうなると、感染症治療にどの抗生物質を選択するべきか判断できなくなってしまい ます。その上、細菌には外部から遺伝子を取り込む機能が元から備わっています。細菌同士で遺伝子をやり取りして、さらなる耐性を獲得しているのです。遺伝 子が人間に反逆するというSFさながらの事態がいま起きています。

◆薬剤耐性菌が蔓延した原因は?

 端的に言えば抗生物質の乱用です。本来、細菌を駆除するために使用する抗生物質は、ウイルスに対して使うべきではありません。風邪の原因はウイルスで す。にも関わらず自宅に常備して、風邪をひくたびに効果があると信じて服用する人がいます。これはまったくの誤用です。繰り返しますが、抗生物質は風邪そ のものには効きません。必要もないのに抗生物質を使うと、かえって細菌が耐性を獲得する機会を増やす結果を招いているのです。

◆食肉産業で行われている家畜への抗生物質投与などについてはどうお考えですか?

 大きな問題だと考えています。世界で生産されている抗生物質のおよそ80%は、食肉用の牛や豚、鶏に使用されています。投与された家畜は、成長過程で病 気になりにくいうえ発育状態も良くなります。しかし、家畜から排泄された抗生物質はほとんど分解されません。細菌に対する効力を保ったまま土壌や水などの 自然環境内にとどまり、結果として細菌の薬剤耐性を助長することになるのです。

 ただし、アメリカ食品医薬品局(FDA)は既に、業界における抗生物質の使用を段階的に廃止するための対策を打ち出しています。

◆薬剤耐性菌の増殖と拡大を防ぐためにわれわれにできることは何でしょうか?

 まずは、必要なときにだけ抗生物質を使うようにすることです。また、家畜への使用をやめるべきです。多剤耐性菌(複数の抗生物質に耐性を持つ細菌)に対 して効力を示す新たな抗生物質は不足しているのが現状です。いまや人間は、細菌にすっかり翻弄されていると言ってもよいでしょう。

◆新たに開発されている抗生物質はありますか?

 現在、研究が進められている新型の抗生物質は数多く存在します。まだ完成には至っていませんが、少なくともあと一歩の段階までは来ているはずです。

 

 

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2014年

8月

30日

日本に迫る“熱帯ウイルスの恐怖” 西ナイル熱、マラリア、黄熱

首都圏で約70年ぶりにデング熱の国内感染者が出た。東京都は急きょ、ウイルスを媒介した蚊が生息するとみられる代々木公園の駆除を行ったが、驚きなのは 本来、熱帯地方でみられる感染症が都心のド真ん中で発生したことだ。専門家は、地球温暖化による環境の変化を指摘。日本ではみられなかったさらなる熱帯由 来の感染症の流行を警戒する。西ナイル熱に空港マラリア、そして黄熱。迫りくる“熱帯ウイルス”の恐怖とは-。

 埼玉の10代の女性のほかに、新たに20代の都内の男性と埼玉の女性がデング熱を発症、国内感染者はこれで3人になった。感染の“震源地”は代々木公園とみられ、東京医大の浜田篤郎教授は「今後も散発的に感染者が出るかもしれない」と話す。

 感染しても半数は発症せず、重症化するのも発症者の約1%というから、深刻に捉える必要はなさそうだが、なぜ熱帯や亜熱帯でみられるデング熱が都内で発生したのか、そこが問題だ。

 環境省関係者は「地球温暖化で平均気温が上昇していることが関係している恐れがある。今年は全国で集中豪雨が頻発し、例年よりも雨量が増えている。こう した環境変化によって、蚊などのウイルスを媒介する動物が増加し、感染症にかかりやすい要因が増えたものと考えられる」と推測する。

 世界保健機関(WHO)も、異常気象をもたらすエルニーニョ現象が起きると、雨量が増すなどして感染症の増加につながると指摘。南米で1990年までみられなかったコレラの集団発生が、エルニーニョによって海水温が上昇した年に起きたという報告もある。

 今回、国内感染が確認されたデング熱を媒介するヒトスジシマカは、かつては関東地方が北限だったが、最近は盛岡市まで北上したことが確認されている。日本の気候の変化が“熱帯ウイルス”を媒介する蚊の分布に影響を及ぼしている可能性は高い。

 専門家は今後、デング熱だけでは済まない恐れを予測。その1つが、アフリカ・ウガンダの西ナイル地方で最初に見つかり、99年に米ニューヨーク市周辺で大流行した西ナイル熱だ。

 害虫防除技術研究所代表で医学博士(衛生動物学)の白井良和氏は「北米やアフリカ、欧州から中央アジアに広く分布している。日本にも生息するアカイエカ やヒトスジシマカがウイルスを媒介する。感染した渡り鳥が広域に飛来することが流行と関係しているといわれており、ひと度、ウイルスが入り込めば、感染が 広がる危険性がある」と話す。

 かつて日本でも流行し、50年代以降は国内での発生例がないマラリアにも注意が必要だ。

 白井氏は「日本で過去に何度も流行し、マラリアの熱病で平清盛も死んだといわれている。流行地域から出発する飛行機の中に入り込んだ蚊から感染が広がる『空港マラリア』の危険はある」と指摘し、こう続ける。

 「今後さらに平均気温が上昇すると、ネッタイシマカが発生する環境もさらにできてくる。この蚊は、デング熱のほかに野口英世の命を奪った黄熱を媒介する。死亡率30~50%に及ぶ黄熱病を引き起こす恐ろしいウイルスだ」

 デング熱は、他の凶暴なウイルスがはやる予兆なのか。

 

 

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2014年

8月

28日

WHO、地球温暖化放置で年間の死者が約25万人増えると警告

WHO(世界保健機構)は27日、地球温暖化を放置すれば、感染症や熱中症が増え、将来の死者が、現在の水準よりもおよそ25万人増えると警告した。
WHOは、世界的な気候変動が続いた場合、コレラやマラリア、デング熱といった、熱帯地域の感染症や熱中症にかかる人が増え、こうした病気による死者は、2030年から2050年までに、現在よりも年間25万人増加するとの予測を公表した。
またWHOは、水や食料の不足も深刻になると警告している。

 

 

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2014年

8月

27日

中国産タマネギ 残留農薬検出相次ぐ 規制強まり輸入減も

 国産の品薄高で輸入が急増している中国産タマネギから、基準値を超える残量農薬が相次いで検出されている。これを受け、日本政府は今月から輸入業者に対 し全ロット検査を義務付けた。中国側も原因究明に向け規制を強めており、同国からの輸入が急減する可能性が高まってきた。輸入商社は米国産など代替産地か らの調達を模索するが、国産の引き合いが強まり、需給や相場に影響を与えることも想定される。

 日本が輸入する中国産タマネギは年間25万トン。皮をむいた「むきたま」の状態で輸入されるものが大半で、外食や食品加工業界に浸透。昨年9月から10カ月連続で前年を上回る状況が続く。

 しかし7月中・下旬、厚生労働省のモニタリング(サンプル)検査でネオニコチノイド系農薬「チアメトキサム」の基準値超えが2事例続けて発覚。同省は今 月8日、輸入業者に全ロット検査を義務付ける「検査命令」を出した。業者が検査体制を強めた結果、さらに10事例の基準超えも明らかになっている。

 この時期、輸出量の大半を占める山東省の一部産地では、ネギやニンジンの栽培で「チアメトキサム」を含んだ農薬を使う農家が多い。関係者は「日本の基準が周知されずタマネギでも使われたか、他作物に散布して飛散したのではないか」と推測する。

 基準値超えが相次ぐ事態に、中国は各地区にある中国国 家品質監督検査検疫総局(CIQ)での規制を強化。ある輸入業者は「以前のように安定的に輸入できるめどは当面立たない」と見込む。輸入価格(むきたま、 浜渡し価格)は先月までの1キロ45円前後が同70円以上まで高騰。商社からは「8月の輸入量は半減する」との声も上がる。

 関係者が頭を悩ませるのは代替品の調達だ。米国ワシントン州産の入荷が増えるのは9月下旬。当面の仕入れ先としてニュージーランドや韓国からの緊急輸入 に動く商社もある。ただ「むきたま」で出す国は極めて少ないため「代替がきかない」との声もあり、今後加工業界が原料不足で混乱する可能性がある。

 今月から出荷がスタートしている日本の一大産地、北海道産の調達を狙う実需者は多く、国産の需給逼迫(ひっぱく)、相場上昇も想定される。道産の作柄は 不作だった前年を上回る見通しだ。ホクレンは「国産に目が向いていることは好材料。生食、加工双方の需要にある程度応えられるようやっていく」と話す。 (高松和弘)

日本農業新聞

 

 

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2014年

8月

20日

ジビエ料理:シカやイノシシ肉に人気 衛生管理の指針作り

ジビエ料理を楽しむ客でにぎわう「焼ジビエ罠」新橋店=東京都港区で、小出洋平撮影
ジビエ料理を楽しむ客でにぎわう「焼ジビエ罠」新橋店=東京都港区で、小出洋平撮影

シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を食材にする「ジビエ料理」の食中毒を防ぐため、厚生労働省が衛生管理の指針づくりを進めている。ジビエ料理を巡っ ては、地域振興に役立てる取り組みが各地に広がり、メニューに取り入れる飲食店も増加。食の安全を確保する国の基準が必要だと判断した。狩猟シーズンが本 格化する11月ごろまでに指針をまとめる方針だ。

 指針の作成を進めているのは7月に厚労省に設置された専門家の検討会。鳥獣を解体する器具の扱い方や、内臓の処理の方法、寄生虫やウイルスを殺す加熱の基準などを示す方針だ。

 「ジビエ」は狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉を意味するフランス語。国内では野生鳥獣による農作物被害の広がりを背景に注目されるようになった。全国 の農作物被害は年間200億円以上。環境省の推計によると、2011年度のニホンジカ(北海道を除く)の個体数は約261万頭で20年前の約7倍。イノシ シは約88万頭で約3倍に達する。同省は今年5月、野生鳥獣の捕獲事業を強化するため鳥獣保護法を改正し、10年以内にシカやイノシシの個体数を半減させ る目標を掲げている。

 こうした対策によってジビエ料理の材料が入手しやすくなり、地域振興に活用する取り組みが始まった。長野県は今年4月、「野生鳥獣対策室」を「鳥 獣対策・ジビエ振興室」に改編。地元の観光団体が参加する研究会を設置し、ブランド作りを目指している。三重県も5月から「みえジビエ登録制度」を開始 し、参加する飲食店や販売店をホームページなどで紹介。千葉県内には12年3月以降、野生鳥獣の食肉処理施設が2カ所新設された。

 普及に伴い課題となるのが衛生管理だ。牛や豚などの家畜は「と畜場法」などにより衛生管理の規制があるが、野生鳥獣には国の規制がない。シカやイ ノシシの体内からは寄生虫のほかE型肝炎ウイルスも検出されることがあり、食肉として扱うには注意が必要だ。現在、34の自治体が衛生管理の指針を設けて いるが、独自に策定しているため、基準にばらつきがあるのが現状だ。このため、「国として統一の指針が必要」との声が強まっていた。

 

 

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2014年

8月

13日

微生物の力で合成界面活性剤の使用量を大幅に低減

-納豆菌が作り出す環状ペプチドは、微量でも界面活性剤の働きを増強-

 

ポイント

 

  • 納豆菌が作り出す環状ペプチド(サーファクチン)は、合成界面活性剤の働きを増強する。
  • 微量の添加で、界面活性剤量を100分の1に減らしても、同等以上の界面活性効果を維持できる。
  • 洗濯などで大量に消費されている合成界面活性剤の使用量の大幅な低減が期待される。


概要

 

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)環境化学技術研究部門【研究部門長 北本 大】の北本 大 研究部門長、井村 知弘 主任研究員、平 敏彰 研究員は、株式会社カネカ【代表取締役社長 角倉 護】(以下「カネカ」という)と共同で、納豆菌が作り出す環状ペプチドサーファクチン)によって、合成界面活性剤の使用量を100分の1程度にまで低減できることを発見した。

 低炭素社会への意識が高まる中、環境中への拡散が懸念される合成界面活性剤の使用量の低減や、石油由来からバイオ由来の界面活性剤への転換が求められて いる。今回、納豆菌を用いて量産できるサーファクチンの特性を詳しく調べたところ、かさ高い環状ペプチドの作用で、合成界面活性剤の働きが大きく増強され ることがわかった。石油由来の合成界面活性剤に微量のサーファクチンを添加するだけで、合成界面活性剤の量を100分の1に減らしても、同等以上の界面活 性効果を維持できることを実証した。今回発見した効果を活用すれば、洗剤やシャンプーなどの日用品や、広範な化学製品で利用されている合成界面活性剤の使 用量を大幅に低減できると期待される。

 なお、この技術の詳細は、2014年9月9日~11日に北海道札幌市で開催される日本油化学会 第53回年会で発表される。

サーファクチン(左)と合成界面活性剤(右)の図
サーファクチン(左)と合成界面活性剤(右)


研究の社会的背景

 

 プラスチックと並ぶ代表的な石油製品である合成界面活性剤は、国内だけでも年間およそ100万トンも生産され、台所洗剤やシャンプーなどの日用品から、 機械、建築、土木など幅広い産業で使用されている。使用後に環境中に拡散される可能性もあるため、より安全で、少量でも機能を発揮できる高機能な新製品 や、界面活性剤の使用量を低減できる新技術の開発が重要になっている。

 また、地球温暖化などの環境問題が顕在化する中で、化石資源からの脱却を目指し、石油由来からバイオ由来の化学品への転換が求められている。環状ペプチ ドは、抗菌性を始め多様な機能を示す一方で、生産コストが高いため、主に医薬品分野への応用が検討されてきた。最近、環状ペプチドが、優れた界面活性効果 (洗浄作用など)を示すことが分かりつつあり、量産技術を確立するとともに、医薬品以外への用途展開が期待されている。

 

研究の経緯

 

 産総研では、環境に優しい化学品開発の一環として、バイオ由来の化学品の研究に取り組み(2013年8月29日 産総研プレス発表)、微生物の発酵プロセスを利用した生産技術開発や、その性能評価・用途開拓などの応用研究に一貫して取り組んできた。

 カネカでは、独自の発酵技術や精製技術によって、培養工程の生産性が低いなどの理由で大量生産に課題のあったサーファクチンを量産することに成功し、各 種産業での新しい用途を探していた。用途展開を迅速に進めるためには、特異な環状ペプチド構造に着目した基盤的な研究開発が必要であり、産総研と共同研究 を開始した。

 

研究の内容

 

 カネカが量産に成功したサーファクチンは、アミノ酸が環状につながったペプチドであり、環境や生体に対して低負荷であるだけでなく、合成界面活性剤(直鎖状)と大きく違い、特異な機能を発揮すると予想されていた。

 産総研では、まず、サーファクチンの水溶液中での集合特性を評価することから研究に着手した。一般に、界面活性剤は、水の表面に規則的に並んで飽和に達すると、水溶液中に移行し、ミセルと呼ばれる集合体を形成することで洗浄力を発揮する。従って、ミセルを形成する濃度(ミセル形成濃度)が低いほど、界面活性剤の使用量を低減させることができる。

 今回の研究で、サーファクチンは、合成界面活性剤に比べて、分子1個のサイズが3~5倍程度も大きいことに加えて、水の表面に並びやすいことが分かっ た。そのため、サーファクチンと合成界面活性剤を併用した場合、水の表面がサーファクチンで優先的に覆われて飽和するため、ミセル形成が促進され、合成界 面活性剤のミセル形成濃度を大きく低減できることが予想された。

 実際に、微量のサーファクチンを、洗剤の主成分である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムに添加して界面活性効果を調べた結果を図1に示す。合成 界面活性剤に対して、サーファクチンを1 %添加すると、ミセル形成濃度は10分の1となり、合成界面活性剤の使用量をもとの濃度から10分の1に減らしても、同等以上の界面活性効果(表面張力低下能)が維持されていた。また、合成界面活性剤にサーファクチンを10 %添加した場合では、合成界面活性剤の使用量を100分の1に減らしても、同等以上の界面活性効果が見られた。

サーファクチンによる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの使用量低減効果の図
図1 サーファクチンによる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの使用量低減効果

 また、別種の石油由来の合成界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムなどに対するサーファクチンの添加効果も調べた(表1)。その結果、ドデシル硫酸ナ トリウムに対して、サーファクチンを10 %添加した場合でも、ミセル形成濃度は100分の1となり、合成活性剤の使用濃度を100分の1程度に減らしても、同等以上の界面活性効果を維持できるこ とがわかった。

表1 サーファクチンによる合成界面活性剤の使用量低減効果
サーファクチンによる合成界面活性剤の使用量低減効果の表

 サーファクチンの添加効果を洗剤やシャンプーなどの日用品や広範な化学製品へ応用することで、製品中の合成界面活性剤の使用量を大きく低減できると期待される。

 

今後の予定

 

 サーファクチンのさらなる機能評価を進め、さまざまな分野でのサーファクチンの活用を促進する。また、新たな構造や特性を持つアミノ酸・ペプチド素材の探索・開発を続け、石油由来からバイオ由来の化学品への転換、バイオ由来の化学品の製造・利用促進に貢献していく。


用語の説明

 

◆環状ペプチド
複数のアミノ酸がつながったものをペプチドというが、そのうち環状のもの。直鎖状のペプチドに比べて機能面で優れており、抗腫瘍活性、鎮痛作用、酵素阻 害、抗菌性などの生理活性を示すものが多い。最近では、医薬品の重要な候補化合物の一つになっているばかりか、化粧品・食品、化学品、材料などの分野での 利用も進められている。
◆サーファクチン
納豆菌などによって各種の資源から量産され、7つのアミノ酸からなる環状ペプチド。生分解性に優れ、皮膚への刺激も少ないことに加え、血液凝固阻害、血栓溶解、抗菌性などの多くの生理活性を示す。
◆界面活性剤
1つの分子の中に水に馴染みやすい親水基と、水に馴染みにくい疎水基を併せ持った物質。界面に作用して、水と油のように互いに混じり合わない液体を混ぜ合 わせたり(乳化)、固体の表面に作用して、各種の媒体中に分散安定化(分散)することができる。洗浄を始めとして、繊維、化粧品・医薬品、土木・建築、 紙・パルプ、機械・金属など、幅広い産業で汎用されている。
◆アミノ酸
生体における最も基本的な構成単位であり、生体内には20種類のアミノ酸が存在する。工業的には、微生物を利用した発酵プロセスで生産され、近年では、ア ミノ酸を含む多数のサプリメントが製品化されている。これが複数個つながるとペプチドと呼ばれ、さらにつながるとタンパク質になる。
◆ミセル
界面活性剤が、水中で形成する球状の集合体のこと。ミセルの内部に油汚れなどを溶かしこむことにより洗浄力を発揮する。表面に並んだ分子が飽和に達する濃度からミセルが形成し、このミセル形成濃度が低いほど、界面活性剤の使用量が低減される。
ミセルの説明図
◆表面張力低下能
液体には、表面をできるだけ縮めようとする(丸くなろうとする)力が働き、この力を表面張力という。水は、他の液体に比べて表面張力が大きく、球状になりやすい。界面活性剤を添加すると、表面に界面活性剤が規則的に並び、表面張力を低下させることができる。

 

 

 

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8月

10日

納豆菌でエコな洗剤 石油原料「洗う成分」激減、コストも抑え

 

洗剤やシャンプーなどに添加される石油由来の界面活性剤の使用量を納豆菌の作る物質で劇的に減らせることが9日までにわかった。茨城県つくば市の産業技術 総合研究所(産総研)などが発見した。すでに量産化にも成功しており、これによって環境負荷を低減したり、原油市場が高止まりするなか、コスト削減効果な どによる企業の国際競争力の強化も期待される。

 界面活性剤は、洗剤などに含まれる「洗う」成分として知られる。台所用洗剤やシャンプー、化粧品のほか、機械、建築、土木分野など幅広く使用されており、プラスチックと並ぶ石油製品でもある。

 ただ、石油を原料とする界面活性剤は水質などを通して生態系へ悪影響を及ぼすなどとして、環境面での問題点も指摘されている。

 研究では、界面活性剤に納豆菌からできた7つのアミノ酸が環状につながった「サーファクチン」と呼ばれるペプチドを加えて、その洗浄効果を調べた。この結果、界面活性剤の量を100分の1に減らしても、その効果が変わらないという結果が出た。

 産総研の井村知弘主任研究員は「環境面に加えて、製品設計の自由度が上がる」と説明するほか、同研究所では「界面活性剤の量を減らせる分、抗菌機能だけ の洗剤に香りの持続といった機能を加えることも可能になる」としている。さらに皮膚など人体への刺激が少ない商品開発も可能になるという。

 今回、産総研と共同研究を行った化学メーカーのカネカは、すでに皮膚への刺激が少ない点に着目して、化粧品向けにはこの物質を量産済みで、今後は「機械の洗浄用といった工業用洗剤などへの用途展開も可能になった」(同社)としている。

 さらに、企業にとっては高止まりする原油価格がコスト要因となっているほか、原油市場の価格変動リスクが経営戦略を立てにくくしている側面もある。この ため、石油の使用を劇的に減らすことのできる今回の発見は、企業の“石油リスク”を軽減して競争力を高める可能性もある。

 

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8月

09日

<静岡・食中毒>O157発症449人 過去10年国内最多規模

静岡市で開かれた安倍川花火大会で露店の冷やしキュウリを食べた客が食中毒症状を訴え、腸管出血性大腸菌O157が検出された問題で、市は9日、発症者が449人になったと発表した。O157など腸管出血性大腸菌の集団食中毒としては過去10年で国内最多の規模になった。
 販売されたとみられる冷やしキュウリは約千本。静岡市保健所は「祭典で短時間に大量に販売された状況が、これだけの発症者を生んだ要因の一つ。相当深刻な汚染があったとみている」と指摘している。
 市保健所によると、発症者は8日より22人増えた。報道などで集団食中毒を知って受診した人が加わったとみられる。内訳は静岡市340人、浜松市19人、両市を除く県内が85人、県外5人。8日時点で二次感染者の報告はないという。
 入院者は8日から3人増えて107人になった。腎不全などを伴う合併症「溶血性尿毒症症候群(HUS)」になった重症者は4人で変化はなかった。
 厚生労働省によると、過去10年の大規模な腸管出血性大腸菌の集団食中毒では、2007年5月に東京都内の学校給食で445人が発症している。

 

 

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2014年

8月

01日

成田便、やっかいな蚊も搭乗? 感染者増えるデング熱

海外旅行先で、感染症にかかる人が増えている。ウイルスの感染源は、インドネシアのバリ島や、タイ、フィリピンのリゾート地など人気観光地に生息する蚊 だ。最近、成田空港などで、日本に生息していないはずのウイルスを媒介する蚊が相次いで見つかっている。夏休みで旅行者が増えるのを受け、厚生労働省は警 戒を強めるとともに注意を呼びかけている。

 

感染者が増えているのはデング熱。東南アジアや中南米で流行している感染症だ。高熱や頭痛、発疹などの症状が出るが、通常は1週間ほどで治まる。まれに鼻血など出血が止まらなくなり、重症化する。ワクチンや治療薬はなく、痛み止めなど対症療法しかない。

 国立国際医療研究センター(東京都新宿区)のトラベルクリニックには今年、バリ島などに旅行した感染者7人が訪れた。病気が知られていないため、感染に気付かなかった人も多い。

 加藤康幸・国際感染症対策室医長は「感染しても症状の出ない場合もある。感染している人は報告数よりももっと多いはず。知らないうちに感染を広げてしまう恐れもある」と話す。

 

 

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